スラッシュ君
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第35回

<BL年齢のバロメーター、「集団ドラマ」にあなたはついていけますか?>

  よくこのコラムに登場するフランス人が突然、森脇真末味について尋ねてきた。たまたまネットで森脇作品の評論を見つけ、興味を持ったらしい。

  「漫画好きなら押さえておきたいマスターピース」について外国人から尋ねられるのは、なかなか嬉しいものである。

  スラッシュ君は森脇作品を絶賛しつつ、多くが絶版になっていたが、SFものは早川から文庫で、そうでないものも復刊ドットコムから復刊されつつある現状を伝えたところ、かなり喜ばれた。

フランス人(以下「フ」)「語シスコさんの同人誌も復刊されてるじゃないですか! スゴ〜い。復刊ドットコムって、どういうシステムなんですか? 投票制みたいだけど100人未満だと復刊されないの? どうして元の出版社から復刊されないの?」

  1を知ると10質問してくる。こういう生徒ばかりだと教師も楽しいだろう(笑)。

  復刊ドットコムにはスラッシュ君もいくつかエントリーしたことがある(注1)。オリジナル本に比べて多少割高ではあるが、目玉が飛び出そうな値段のネットオークションに比べればずっと安価で手に入る。創業奮戦記の本が2005年の夏に出版されたが、漫画マニアには本当にありがたい会社である。

  で、フランス人になぜ森脇マンガの評論を読んだのかと尋ねたところ、フランス人は「最近のボーイズラブ(以下BL)漫画ってどれも同じような感じで飽きちゃって」と言う。これを聞いたスラッシュ君は「ああ、君もか」と思った。


<熱心な海外やおいファンほど陥りやすい「近頃のBLは……」症候群>

  日本のやおい漫画を知り、なかなか入手できない困難を乗り越え、日本のやおい漫画を読むことに不自由しなくなった外国人は、ある一定レベルに達すると大抵、この病に陥る。第7回に登場した「やおい漫画データベース」を作ったアメリカ人も今は仕事が忙しいので活動を休止してしまったが、止める直前、「最近のやおい漫画は(どれも似たり寄ったりで)2度読む気にはなれない」と嘆いていた。

スラッシュ君(以下「ス」)「確かに今も残る古典っていうのは名作だと思う。それだけ淘汰されてきたってことだから。人間の本質って、そんなすぐに変わるものじゃないから、素晴らしい古典には心を揺さぶる感動があるよ。それでもスラッシュ君は入手困難な未読の古典を探すより、最新の漫画を1冊でも多く読むほうを選ぶな」

  それは『今の時代の気分』というものは新しい作品でないと味わえないからだ。

  最先端の風俗や流行のカッコ良さ、楽しさに浸りたいし、道徳観も今のほうがずっと開放的だし、テンポも軽快だ。漫画の新しいテクニックが次々生まれているし、やおい小説なら新しいSEX描写表現が開発されているし、会話文も学生言葉だと特に変化のスピードが早い。 

  と話していてスラッシュ君は突然、重要なことに気が付いた。

ス「似たり寄ったりって言えば、君がいつも大量に買うテニプリ同人誌はどうなのよ?」
フ「うッ……(汗)」
ス「スラッシュ君の同年代のオバサン読者は(キャラが多いし&どれも大差なくて)ついていけないって嘆いている人が多いよ」

  ミュージカルにもなった(2006年には実写映画にもなるそうだが)『テニスの王子様』の同人誌ブーム以降、若い子向けに学園BLモノが巷に溢れている。その多くは「これといった主役がいない」または「毎回主役が変わる」、いわゆる「集団ドラマ」であるのが特徴だ。


<集団ドラマは時代の最先端>

  スラッシュ君のようなオバサン読者は「集団ドラマ」にとまどうことが多い。最初のカップルに思い入れが強すぎて、次のカップルに全く興味が持てなかったり(注2)、キャラそれぞれの個性が薄かったり(それ以前にキャラの見分けが付かなかったり)、話の中心となるキャラがいないのでストーリーが散漫になってしまったりして(注3)、フランス人のような「近ごろのBLときたら……」的な拒否反応を覚えてしまうのだ。

  だが「集団ドラマ」はタイプの異なるイイ男がとにかくたくさん出せるので、儲かっている出版社は必然的にお金をかけた派手な企画モノを次々と投入してくる。

  2006年1月の続編放送が楽しみな、コナミの女性用ゲームから生まれたBLアニメ『吟遊黙示録 マイネリーベ』(注4)は中世ヨーロッパのエリート学生集団の話。漫画と小説の同時リリースというビブロスらしい派手な企画の「Yebisuセレブリティーズ(エビリティ)シリーズ」(注5)は広告デザイン事務所が入っているビル丸ごと1棟(!)の話だし、ビブロス初のオリジナルドラマCDの『新宿Guardian』(注6)は吸血鬼が現れた「欲望の街、新宿歌舞伎町」(笑)を守るために日夜戦う男たちの話だ。幻冬舎の人気BL小説(注7)、義月粧子著の「海外弁護士シリーズ」はアメリカの法律事務所の7人のヤリ手弁護士のドラマだし、同じく超売れっ子、水壬楓子著の「エスコートシリーズ」は人材派遣会社のボディーガードセクションが舞台の職場ドラマだ。


<脇役救済サイドストーリーはなぜかメインカプものよりも愛される>

  現在のような派手な集団ドラマ企画が盛んになる前にも、「主役カップルに振られた、または主役カップルの引き立て役のサブキャラがイイ相手にめぐり合うサイドストーリー」というものは昔からあった。

  そしてそのサブキャラカップルがしばしばメインカップルの人気を食ってしまうという珍現象が起きていた。

  最近の例をあげると(あくまでスラッシュ君の主観だが多くのBLファンもあまり異論がないのでは?と思う)、藤崎こうの『ハッピーヤローウェディング』(注8)シリーズの一輝と千春カップル(御曹司と世話係兼敏腕秘書)より、続編のカオルと大郷カップル(プライドの高い秘書とライバル会社の若社長)のほうが泣けるし、中村春菊の『純情ロマンチカ』(注9)シリーズも、メインの美咲と宇佐見カップル(学生と有名小説家)より、野分と上條カップル(宇佐美に片思いだった幼馴染の助教授と野分に拾われた浮世離れした天才学生)の続編のほうが切ない。

  嶋田尚未の『お手討ち覚悟!』(注10)シリーズも桜井と美神のカップル(かわいいだけのドジっ子生徒会長と学園のカリスマ元生徒会長)より高野とアルフレッドのカップル(有能堅物書記とエロ理事長)のほうが萌えるし、本庄りえの『化学室へどうぞ』(注11)も浩輔と芝浦カップル(従順な生徒と謎のエロ化学同好会顧問教師)よりも浩祐と小林カップル(浩輔の超ブラコン兄と記憶障害を持つ浩輔の友人)カップルのほうに感動した。

  『旦那さまシリーズ』(注12)(吉田珠姫著)も遥と望月(可愛い執事と世界的な大企業の敏腕社長)よりも、サイドストーリー『性悪猫』の育也と茂本(遙に外見がそっくりな売専少年と同じ職場の無口で気弱なバーテンダー)に泣けたし、古くは『札幌の休日』(注13)シリーズ(桜木知沙子著)の皇と芦谷(家庭の事情が複雑で傷つきやすい学生と隣に越してきた同じ北大の学生)カップルよりもサイドストーリーである『東京の休日』シリーズの真史と北條カップル(高校時代芦谷に片思いだった東京大学のゲイ学生とエリート医師)に親しみを感じた。

  脇役は境遇に恵まれなかったために性格がいじけていたり、すごく努力するのに報われなかったりと、主人公に比べて不運なことが多い。その分、脇役がそれなりの相手を見付け幸せになった時(主人公に比べるとその幸せはささやかなものであるが、それがかえって好感を生む)の喜びは大きく、読んだ後の「癒され感」もより大きいのだ。


<女性のソーシャライゼイションが集団ドラマを生んだ>

  さて、出来すぎの主人公に共感できず、脇役が幸せになる地味だがハートウォーミングなサイドストーリーに慣れてきた読者は、

  「その脇役にもなれない没個性なその他大勢キャラは幸せになれないの? それってカワイソウ」

  と、さらなるリアルハピネスを求めるようになる。そして次の段階へと進化する。それが、

  「平凡なキャラでもいいじゃない。順番に主役になれるなら」

  という「波瀾万丈の展開も激しい愛憎も無い代わりに、和気あいあいとした共同幻想社会である集団ドラマ」を生んだのである。

  誰も目立たない代わりにチャンスは平等に与えられる。その集団には帰属メンバーが忠誠を誓わなくてはならないような軍隊っぽい旧時代風な義務はない(耐え忍ぶ話が好きな古い読者には耐えられないほどユルイ世界だ)。傷ついた魂同士が慰め合ったり、気安く楽しい学生言葉のやりとりが交わされたりする、永遠の癒やし世界……。

  こういう共同体ドラマが求められる背景としてスラッシュ君は「昨今の女性の社会進出の増加」が関係しているのではないか? と推察する。

  会社に就職したらほとんどの女性は「自分はどうガンバッテも一番にはなれないんだー」と知る。そうなると、その集団でそこそこの役割を担い、同僚と助け合い(時には頼りにされ)ながら、職場をより居心地の良いものにしていこうと努力するだろう。そう、なかなか家に帰りたがらないほとんどのお父さんたちのように……。

  自分の意思がほとんど無い昔の女の子には、強烈な自意識のあるヒロインが「あこがれ」の対象と成りえたが、今の時代は集団の中で一番の地位になれない多くの女性たちが心の折り合いをつけるために、集団ドラマに癒しを求めるようになったのではないだろうか。

  それでは、あふれんばかりのBL集団ドラマの一端を分類しながら紹介してみよう。


<家族中がホモ>

  やおいものは古い考え方の大人(両親や教師)からの抑圧へのカウンターカルチャーとして発展した面もあるため、両親がいない家族、または疑似家族の話が多く、兄弟全員がホモで、家族が順番に主人公になる集団ドラマが描かれやすい。

  以前、第32回のコラムでも紹介した「毎日晴天シリーズ」(注14)が小説では何と言っても有名だ。が、これより少し前に既に漫画では家族モノの名作が誕生していた。男4人の擬似家族もの、亀井高秀の『HOME,SWEET HOME』シリーズだ(注15)。スラッシュ君はHシーンの極端に少ないこの2つのシリーズの良さが最初サッパリ分からず、もてあましていたのだが、焼き肉が腹いっぱい食べられなくなったこの頃はとてもよく分かるになった(笑)。

  最近の家族モノはHシーンもしっかり描かれていて、読者を飽きさせない。どれか1つと言うなら、漫画なら山田ユギの 「本田兄弟」(注16)シリーズと、小説なら和泉桂の「清澗寺家シリーズ」(注17)の、それぞれ3兄弟ものが超傑作なのでお勧めする。


<学校など集団中がホモ>

  そして作品数が一番多いのは学園モノやバンドものだろう。

  ごく普通の学生たちのナチュラルなロマンスを描いて画期的だったのが富士山ひょうたの『わりとよくある男子校的恋愛事情』シリーズ(注18)だ。全校生徒の9割がゲイ(もしくはバイ)と噂される男子校、私立錦成学園高等部を中心とする在校生やOBのロングシリーズである。いかにも今時の男子生徒だなと思わせるリアルさがあり、交わされる会話やギャグのノリが少年漫画っぽくて楽しいくせに、繊細な心理描写でしっかり泣かされる。

  学園モノやバンドもの(注19)はあまりに数が多いので詳しく紹介するのは割愛するが、最近ではただの学園モノでは飽き足らず、特殊な技能の学校であったり、ショタの要素を盛り込んでみたり、SFファンタジーな設定を加えた個性的な作品群が現れてきている。
 
  梅沢はなの『愛と欲望は学園で』(注20)はSEXを職業とする人を訓練するというぶっ飛んだ学校を描いたもの。テニプリ同人誌出身で今や人気爆発の作家、ねこ田米蔵の『神様の腕の中』(注21)はヨーロッパの全寮制の名門カソリック学校の話。

  星逢ひろの『君を連れていく船』(注22)シリーズは『星の降る音』に収録の短編設定を長編化したもの。孤児院島を舞台に3人の仲良し少年たちの日々を切なく描き、泣ける。子どもモノと並んで泣けるのが動物モノ。松本花の『がっこうのせんせい』(注23)は人間の都合で捨てられた動物たちの学校の先生になってしまった男の話だ。

  第28回のコラムで紹介したやおいコメディーの最高傑作が、4人の学生のちんこが入れ替わってしまう珍騒動を描いた大和名瀬の『ちんつぶ』シリーズ(注24)である。SFやおいとしてこちらも最高傑作と言っても過言ではないのが、猿から進化した人間と他の動物から進化した人間がいるという特殊な設定の学園ドラマである寿たらこの『SEX PISTOLS』(注25)。人間を本能むき出しの動物になぞらえることで「フェロモン垂れ流し的な攻めキャラ」(繁殖力が弱い)と「ごくフツーの受けキャラ」(繁殖力は強い)のロマンスを容易に成立(読者に受け入れ)させてしまう。その絶妙な設定だけで萌えてしまうこと請け合いだ。

  こういった今風集団ドラマブームにベテラン作家も巧みに対応している例が高口里純が原作した、名門校の北海道分校設立の騒動を描く『きみには勝てない!』(穂波ゆきね画)(注26)や自身で執筆している双子モデルの下の始末に振り回される人々の喜悲劇を描いた『世の中は僕らに甘い』(注27)だ。高口はバスケものの『勝負は時の..運だろ?』(藤崎一也画)の原作も手がけていて、ベテランなのにいつも時代の最前線を走っていてスゴイなあと思う。


<大人向けには職場もの>

  大人の読者向けには職場に集う社員がみんなホモ、という作品もある。

  まずはスタンダードに。歴史モノ・軍隊モノと団体モノの鬼才、九州男児(一般誌のPNは松山花子)の『課長の恋』(注28)は33歳にして初めて己の性癖(=ホモ)を自覚した課長の「社」を上げてのホモ騒動を描く怪作。なると真樹のオフィスコメディ『新宿ろまんす』(注29)は、作者が同業のまんだ林檎とビブロスのパーティーから帰る途中に見た「酔ってじゃれ合っているリーマンたち」に妄想して生まれた作品。流通業ということで社員が皆、有名百貨店名になっているのがシャレている。

  女性に大人気の職業、パティシエ。「おいしくてオシャレ」という女の子が喜ぶ要素が2つも揃った職場なら多少BL色が薄くても……ということで2つ紹介。月9ドラマにもなったのが、よしながふみの『西洋骨董洋菓子店』(注30)。ドラマCDからラジオ番組、漫画連載という通常とは逆の順序をたどったのが、「吉祥寺で一番カッコいいのにお間抜けな5+1人の店員さん(+40代のマスター)があなたをお待ちしているカフェ」を舞台にしたロマンティックコメディー、宮本夕生原作、ねぎしきょうこ絵の『Cafe吉祥寺で』(注31)だ。
 
  男の子が大好きな「乗り物」は腐女子も大好きな職場。ということで「飛行機」ものなら東谷珪の『楽園30000フィート―All Nippon Air Line』(注32)。「自分の理想の飛行機を飛ばしたい」(スタッフ全員男性)と、リチャード・ブランソンばりの財閥グループ系社長が創立した新興航空会社「ANAL(All Nippon Air Line)」が舞台のコメディー。「電車」ものなら作者自ら駅バイトの経験があるという影木栄貴の『トレイン☆トレイン』(注33)がオススメ。

  専門職になればなれるほどあこがれ度は上がる。その最たるものは医者と弁護士だ。弁護士ものは先ほど紹介したが、医者もののオススメ小説は樹生かなめの「DRシリーズ」(注34)。レセプト(医療機関から支払い機関へ提出する請求書)作成業務の過酷さが克明に描かれていて、職場における責任感の尊さがよ〜く分かる名作である。

  あこがれ最高ランクが「プロ」スポーツチームだろう。野球ものの名作が緋色れーいちの『DOUBLE CALL』(注35)。ちゃんと野球選手が描けている(尻がデカい)のを見たスラッシュ君が「筋肉系もOKになりつつあるのだなあ」と実感した歴史的名作だ。


<ヘテロもので大成功した2人はスラムダング同人出身>

  今後増えそうなのが「元BL作家が一般誌に非BL集団ドラマを書いてブレイクする」というパターンだ。代表的なのが美大生たちの青春群像を描いた羽海野チカの『ハチミツとクローバー』(注36)と、よしながふみの男女逆転SF『大奥』(注37)や普通の高校生の日常を描いた『フラワー・オブ・ライフ』(注38)である。

  そしてこの2人には共通点がある。2人ともスラムダンク同人誌を書いていた(いる)という点である。

  雑誌『コンティニュー・スペシャル ハチクロ特集』の羽海野ちかロングインタビューには、スラムダンクの大ファンである著者と担当編集者が作品を描くにあたり、「ハチクロもそうしよう!」(「主人公だけに都合のいいサブキャラは出さない」「どのキャラも、どの人が主人公になっても成り立つようなバックボーンを持つ設定にする」「キャラクター全員を愛する」など)と決めたそうだ。


  集団ドラマは「友情・努力・勝利」がモットーの男の子向け漫画雑誌ジャンプの『スラムダンク』から始まり、同じジャンプの『テニスの王子様』で大ブレイクしたのである。ヒロインだけが目立ち、ヒロインに都合のいい話は最初から相容れないのだ。


<集団ドラマに慣れると失うもの>

  ところがBL集団ドラマに慣れてしまうと困ったことも起こり出した。

  たまに伝統的少女漫画を読んだり、少女アニメを見たりするとあまりに自意識過剰なヒロインが恥ずかしくて正視できなくなってしまったのだ(注39)。

  さらに大した努力もせず、ウジウジ悩んでいるだけなのに、たなぼたラッキーでメデタシメデタシという安易なストーリーにも怒りがこみ上げる。占いにすがって幸運をただ待っているだけの虫のいい主人公が心底許せない。主人公に都合の良すぎる展開のたびに「ウッソ〜」と失笑してしまう自分がいる(注40)。

  とどめは主人公を引き立てる敵キャラの嫉妬、意地の悪さ、せこさ、卑屈さに自分を見るようでゲンナリしてしまう。

  おかげで大ヒット少女漫画や少女アニメを素直に楽しめなくなってしまった。

  フランス人が大絶賛するので読んでみた『ピーチガール』(注41)は1巻目であえなく挫折。アニメになったので「あの時は自分の読み方が浅かったのかもしれない」と改めて家族で見たが、上記の3拍子(色黒を異常に気にしている主人公+いい男がなぜか皆、主人公に惚れている+意地悪なライバル女子生徒)が全部揃っている展開に、家族中がついて行けなかった。

  ハチクロの後番組の『Paradise Kiss』(注42)だって、スラッシュ君の知人がベタ褒めだったし、アニメ『BECK』の小林治監督なんでちょっと期待して見たのだが、進学校の女学生がなぜかファッションモデルに誘われる&デザイナーの才能に恵まれたイイ男に一方的に愛されている安易な展開に2,3回で見るのを止めてしまった。

  集団ドラマに慣れ過ぎると「私、私、私!」と叫ぶヒロインの肥大した自意識にはもう耐えられない。もはや古い少女漫画には戻れない体質になってしまうのだ。

  それにしても大衆が圧倒的に支持する「少女漫画系の名作を自分は楽しめない」というのは、人生、かなり損な気がする。2006年の6月には『NANA』(注43)のアニメも始まるが果てしてどうだろう? 主人公が2人に分散している分、少しはマシかもしれないが……。

  そして、BL集団ドラマ体質は「実生活」でも支障を来した。


<パワフルママの独演会にドッと疲れが……>

  夏休み明けの小学校の保護者会などで「夏休み、お子さんはどう過ごしましたか?」な〜んていう話題について行けなくなってしまったのである。

  他人が聞いていようがいまいがお構い無しに自分の子どものことばかりしゃべりまくるママさんがいる。感極まって泣き出す人なんかもいたりして、ここで「何で?」などと聞くこともできないのはかなりツライ。いくら商売とはいえ学校や塾に押しかけてきて子どもの相談をするのを聞いてあげる先生たちはエラよ。そしてこういうエネルギッシュなママさんの子供になったら、さぞかし大変だったろうなあ、と心から同情した。

  前回、話題にしたネット上の受験スレではこの手のママさんたちの「息子が萌えに走って困る」という書き込みをよく目にする(注44)。
 
  裏を返せば(私立中学に子どもを行かせられるくらいの収入のある家庭のママさんは)そのくらいしか悩みがないということで、実に贅沢なことなのだが、「家庭という世界の中心」で長年家族を支配し続けていると、自分が家族にあまりにも多くのものを求めすぎていることに気づかなくなるらしい。
 

<萌えが日本で生まれた恐るべき理由>

  同じスレで「男子進学校の文集のほとんどの中身が萌え関連」というタレ込みを読んで、スラッシュ君は納得した。

  もしかすると「萌え王国日本」を生み出したのは「日本の母」かもしれない……と(注45)。

  自分の人生を犠牲にしたのだからその分、世間に自慢できるような息子でいて当然!とばかりに強烈なプレッシャーをかけられれば、アニメ『苺ましゅまろ』の歌詞の一節(「怒らないでよ 怒らないでよ 好きにさせてよ」)も無理ないなと思う。

  とはいえ相手はもう中学生。いつまでも「ママが一番」なんて言っていたらかえって気味が悪い。母親に息子離れをさせるためには、「息子の支配」という甘美なユーワクから気をそらせるには、一体どうしたらいいのだろう?(注46)この手のママさんたちは間違ってもショタ本とか読まないだろうしなあ(笑)。

  一度リアル(息子)の魅力にハマるとなまじのヴァーチャル(芸能人や趣味)ではもはや満足できない。エロ漫画から性犯罪に走るというが、スラッシュ君は「もともとエロ漫画で満足できない人が性犯罪に走る」のではないかと思う。そういう人は死ぬまで代替品では満足はできないだろう。

  だからこそ監禁王子のようなおぞましい性犯罪の防止は難しく、なかなか無くならないのだ。


(次号へ続く)

今回は集団ドラマということでCDドラマになっている場合は声優名も併せて紹介!

注1:吉田秋生の『吉祥天女』との類似点をスラッシュ君が指摘したためアメリカ人が上村一夫の『マリア』を読みたがり、一度、オークション系サイトで「5000円くらいで……」と質問してみたのだが、市場価格が1〜2万円くらいするものだったらしく、「バカか?」と言われ、非常に恥をかいた覚えがある。その後、復刊ドットコムに投票し、ワイズ出版からめでたく復刊された。単行本未収録部分も読むことができ、メデタシメデタシだった。(

注2:ホストクラブが舞台の新田祐克の集団ドラマ漫画『男が男を愛するとき』シリーズでは先輩ホストの岩城(CV中田譲治)に比べると新人ホストの新川(CV鳥海浩輔)、目が細くて、最初、う〜んだった。この新川が主人公、鷹秋(CV岩永哲哉)の本命になるとは全く予想してなかったが、あまり取り柄がない(?)新川が次第にカワイく思えてきて、最後には鷹秋の気持ちも素直に納得できた。いやあ作者の力量に感服いたしましたですよ。(

注3:第34回のコラムに登場したアジア人ゲイ青年と今シーズン見ているアニメについて話したのだが、お互い「『クラスター・エッジ』はBLものだから一応見るけど……」と不満が一致。エンディングの歌の音程もさることながら、まだ10話目にして総集編を(7話目にやったばっかなのに)2回もやる? という迷走ぶりに頭を抱えてしまった。(

注4:『天使禁猟区』の由貴香織里がキャラクター原案。舞台は中世ヨーロッパ。クーヘン王国(ドイツ語で「クーヘン」は「お菓子」の意味……)には、若きエリートたちが集う全寮制の名門校で高級ハムみたいな名前のローゼンシュトルツ高等学園がある。未来を担う使長を目指す5人の若者、オルフェ(CV櫻井孝宏)、エド(CV関智一)、カミユ(CV保志総一朗)、ルーイ(CV関俊彦)、ナオジ(CV石田彰)は、その第一歩となる、ドイツのりんごケーキみたいな名前のエリート候補生、シュトラールとなるために、学園で勉学や武術に励む毎日だったが……。元の女性用ゲームとは異なり、アニメでは女性キャラが全く出てこない。唯一登場する女性、オルフェの最愛の姉ロベルティーネはシリーズ冒頭で事件に巻き込まれすぐに死亡! 事件の謎を追うオルフェは銃弾に倒れ、川に転落。流れているところを助けられるが、助けるのも村娘ならぬ村アニキだ(新聞記者アイザック。CV子安武人)(笑)。(

注5:岩本薫が小説、不破慎理が絵を担当。恵比寿にあるエリート広告デザイン会社『Yebisu Graphics』。そこで働くエリートデザイナー集団、通称エビリティー(恵比寿のセレブだから(笑)。ここの社員は全員高そうなビスポークを着てマス)の恋愛模様を描く。ボスの大城(CV小杉十郎太)は強引に入社させた元学生バイトの藤波(CV鈴村健一)とカップル。藤波が来る前はエビリティー最年少だったデザイナー笹生は、エビリティー一の切れ者で幼馴染の綿貫(CV成田剣)に失恋、売れない男性モデルの青年ケイを拾い、カップルに。で、その綿貫は天才外科医の狩野と7年越しの恋愛中。人嫌いのデザイナー、益永(CV千葉進歩)と気紛れで女好きな天才肌デザイナーの久家(CV神奈延年)は性格が正反対なのにカップル。世界的インテリアブランド『LABO』の日本支社長アルベルト(CV一条和矢)は『Yebisu Graphics』の1階にあり、大城が経営するアジアンレストラン&カフェ『LOTUS』で働く、禁欲的なギャルソン東城(CV平川大輔)に一目惚れ……ふう。(
 
注6:CDは全部で4巻。東城麻美のキャラデザインがド派手。まるで歌舞伎町ホストと見まごうほど。そしてベテラン混じりの超豪華声優陣(吸血鬼(CV石田彰)、ナイトクラブチェーン経営の青年実業家(CV小杉十郎)、堅物の新宿中央警察署長(CV井上和彦)、 温和な開業医(CV関俊彦)、女好きの敏腕探偵(CV堀内賢雄)。他にも使い捨てキャラ?として三木眞一郎、小西克幸、伊藤健太郎、檜山修之など惜しげも無い起用が太っ腹)による言いたい放題トークがユルい本編よりも面白い! と大評判だ(花屋が舞台で石田彰がミツバチ役という『原宿Guardian』も是非聞いてみたい!)。(

注7:幻冬舎は桜桃書房のやおい小説部門(雑誌『エクリプス』を発行)を買い取り、雑誌『リンクスロマンス』と改め、次々と傑作を量産している。水壬楓子は人外ファンタジーの「ムーンリット」シリーズも手がけていて、こちらも大人気。3シリーズとも毎回主人公カップルが変わる。どのカップルの話も例外なく面白いのだから恐れ入る。(

注8:『ハッピーヤローウェディング』『美しき獣たち』『…ヴァージンラブ。』 『虜になった…獣』『…純愛の青年』からなるシリーズ。とにかくカオル(CV緑川光)の性格がタカビーで、付き合いきれなくなった大郷(CV小西克幸)に捨てられてしまうんだが、その後のカオルの落ち込みがもう半端じゃなく「切ない」。迷わず「BLツンデレ女王」の称号を差し上げる!(

注9:天才小説家の宇佐見(CV花田光)に振られた後なのに、今度の相手の上條(CV伊藤健太郎)も天才(しかも年下の学生で天然)ときて、野分(CV神奈延年)のプライドはズタズタに。なのでフォローする上條も大変です。(

注10:高野君(CV鳥海浩輔)は背も高く有能で完璧。それが理事長(CV増谷康紀)の毒牙に掛かってしまうわけですからたまりません!(

注11:弟ばかりかまけている浩祐が小林の病気のことを知り……。記憶障害を抱えながらも年上の浩祐に対して、大人っぽく振る舞う年下の小林が愛しいんですよ〜。(

注12:『旦那さま、お手をどうぞ』『旦那さまはご機嫌ななめ』『旦那さまに赤い薔薇』『旦那さまに甘いキス』『旦那さまは愛の狩人』『旦那さまは恋の共犯者』『旦那さまに誘惑の罠』『旦那さまと灼熱の夜』『旦那さまとウェディングベル』からなるシリーズ。コンピュータ会社の社長で人間嫌いの望月のもとにライバル会社社員の遥が「執事」として潜入する……紅茶の入れ方がうまくて天使のような遙が憎らしいっていう育也の気持ちは腐女子にはよーく分かりますよね。(

注13:『札幌の休日』(全4巻:1巻は1994年出版)『東京の休日 札幌の休日番外編』『最低の恋人 東京の休日2』からなるシリーズ。傷つきやすい皇がもう、じれったいというかふがいなくて。それに比べ、寝てから考える派の真史が潔く、エリートだけど人間としては最低な北條が愛しいんですわ。(

注14:小説版の1巻目は1998年出版。2005年12月発売のBL漫画雑誌『Chara』2月号はいよいよ「明信(CV私市淳)と龍(CV一条和矢)」編がスタート。朝起きたら龍と裸で同衾していた明信の動揺したセリフが作品紹介にピッタリ。「常々心に決めていることがあった 三つ上の長男大河(CV楠大典)出版社勤務 その恋人阿蘇芳秀(CV金丸淳一)遅筆なSF作家 その義理の息子勇太(CV内藤玲)その恋人末弟真弓(CV福山潤)ともに高校2年生 長女志麻 現在南米にて失踪中のルポライター 三男の丈(CV岩田光央)は明るく元気なボクサー 巨人ファンの老犬バース 家族紹介はさておき 別に彼らの嗜好がいいとか悪いとかの問題ではなく 四人兄弟のうちの二人が既にそうなのだから せめて次男の自分が 天国の父と母に 孫の顔を見せてやらなくては…!!!」……恐らく孫の顔は拝めそうにないだろう。(

注15:『HOME,SWEET HOME』(1997年出版)『LA VIE EN ROSE』『WONDERFUL WORLD』『LA DOLCE VITA』『SUMMER TIME』の本シリーズ+番外編『眠れる佳人』『不滅の花』からなるシリーズ。高校生の千春はたった一人の肉親だった祖母に死なれ、今日の食い扶持にも困る生活に。「ポチ」と呼ばれる同級生の市川が千春を連れて行った先には、「千春のパパだよ!」と宣言する生活能力の欠如した小説家の守木が(7年前に蒸発した千春の母・紀子の再婚相手)。守木家には市川の他に謎の大学生の木内もいて……。(

注16:『最後のドアを閉めろ』(全2巻)『開いてるドアから失礼しますよ』からなるシリーズ。長男・正一(CV置鮎龍太郎)は泣く子も黙る国税の職員。でも次男の俊二(CV井上和彦)!とカップルに。三男・賢三(CV森川智之)は職場の先輩、永井(CV鈴村健一)とカップル。(

注17:『この罪深き夜に』『夜ごと蜜は滴りて』『せつなさは夜の媚薬』の3巻からなるシリーズ。没落貴族の清澗寺家。一家を支える長男の国貴(CV千葉進歩)は陸軍に入り、不幸な事件から行方不明になっていた使用人の息子・遼一郎(CV置鮎龍太郎)と偶然再会するが遼一郎はコミンテルン(やおい小説でまさかコミンテルンなんて言葉を目にするとは!!)に入っていた。遼一郎を追い、国貴が家を出てしまった後、清澗寺家を支えるのは父親・冬貴ゆずりの美貌だけがとりえの淫蕩な次男の和貴(CV野島健児)。同僚の秀才・深沢(これから発売のドラマCDでCVは一体誰に??)に清澗寺を乗っ取られ、体にも乗っかられる(笑)。お気楽で純粋な三男の冬貴(CV神谷浩史)は教会で見たイタリア貴族のクラウディオに一目惚れ。だがクラウディオの一族は父の冬貴に恨みを抱いていた……。(

注18:『わりとよくある男子校的恋愛事情』(全2巻)『てっぺんのひまわり』『落下速度』からなるシリーズ。七瀬(CV千葉進歩)は錦成学園では稀なヘテロ高校生。が、ホワイトデーの日、密かに七瀬を狙う後輩の平次(CV杉田智和)からニセの恋人になってくれとお返しをもらい付き合うことに。カップルになった2人はビール会社勤務で錦成OBの七瀬の兄・陽一(CV野島裕史)に付き合うことを反対されるが、陽一も仕事相手で広告代理店勤務の堤とカップルになり……。(

注19:バンドといえば目立つのはボーカル役。でも速瀬みさきの『愛さえあれば!』(全2巻)(アマチュアバンド5人の話。うち2組がカップル)では、スラッシュ君のお気に入りは、利用されるだけのカワイソウなお金持ちの息子でシンセ担当の次晴君(笑)だ。(

注20:現在2巻まで発行。1巻は浅葱学園長(CV飛田展男)×AV科のイオン(CV岸尾大輔)、ホスト科の名神(CV伊藤健太郎)×ペットメイド科の遊水(CV市来光弘)、ホスト科帝王の櫂(CV子安武人)×AV科の高原(CV福山潤)の3カップルのロマンス。2巻は料理長の空一×絶倫組の山真、保健医の両国×AV科で生徒会長の喜緒も加わる。() 

注21:現在2巻まで発行。アラブ人を母に持つ異教徒のマリウスは学校で孤立する。不良先輩のジンジャー(CV神谷浩史)から手製麻薬を買ったのを後輩の雨蘭に見られてしまい、ちょっとした騒動に/貴族の放蕩息子エミリオ(CV野島健児)は素行の悪さのため、性処理担当の東洋人下僕・黄(CV石川英郎)と共に学校へ入れられる。体に聖痕を持つ孤独な下級生シオ(CV山口勝平)は黄に同情する。一方、エミリオは神父(CV森川智之)をたぶらかす……。2巻でエミリオと神父の仲が進展したのは同業のこだか和麻がリクエストしたからだそうだ。感謝!(

注22:泣けて泣けて電車で読むと困る作家さんの1人。『君を連れていく船』に掲載の「袋おじさん」はもう名作! デジモン同人界には優れた情緒性のある作家が多い。デジモン、本編は映画版を1作見ただけなのに同人誌は何冊読んだことだろう(笑)。(

注23:現在3巻まで。耳しっぽモノとしても偉大な名作です。特に2巻は大泣き。(

注24:4人の学生(綾瀬(CV宮田幸季)、取手(CV置鮎龍太郎)、神谷(CV櫻井孝宏)、岩淵(CV遊佐浩二))の入れ替わったちんこが元の持ち主の意志を持ち、つぶやくという設定がすごい。連載誌が休刊のため、単行本2冊が出たきり、現在まで未完結。4人のちんこは無事持ち主に戻れるのか? 気にしている読者は多い。出版社様、この歴史的超迷作を完結まで是非、面倒見てくだされ!!(

注25:現在4巻まで。どのカップルも最初は攻めが受けを大嫌いなのだが、「孕ませたい!」というプリミティブな欲望が炸裂して痛快。円谷ノリ夫(CV鈴木千尋:猫)×斑目国政(CV梁田清之:ジャガー)、斑目米国(CV子安武人:蛟)×藤原しろ(CV平川大輔:銀狼)、ヨシュア・マクベアー(CV成田剣:グリズリー)×熊樫照彦(CV大川透:ツキノワグマ)、青桐大将(CV一条和矢:ハブ)×渡嘉敷シマ(CV神谷浩史:マングース)。(

注26:全3巻。中学生なのに山持ちのサッカー少年・雄飛(CV高城元気)に、兄が勤める都会の名門私立校が『分校』を建設したいと言ってきた。ホモだらけのただれた校風(理事長(CV堀内賢雄)×雄飛の美人兄(CV井上和彦)、表生徒会の筒井参吾(CV野島健児)×雄飛、三木寒弥(CV石川英郎)×北條颯(CV鈴村健一)、裏生徒会である理事長の3息子、陸・海・空(CV成田剣、CV神谷浩史、CV吉野裕行)×颯を叩き直すべく雄飛は寮長になるのだが……。(

注27:似てないゲイの双子、大島椿と紬は高校時代、クラスメイトの憧悟とHしたのがバレて退学になって以来、キャンピングカーで放浪を続けていた。武闘派ゲイを気取る椿は通学途中の高校生の四海をレイプ。紬と路上で口論中モデルにスカウトされ、事務所に行くと、学生モデルの四海とバッタリ。一方、紬は初恋の人、憧悟と再会。憧悟は紬を椿と勘違い。自分と椿が付き合っていたことを紬には内緒にしててくれと頼む。紆余曲折を経て紬は四海と付き合うが……。(

注28:最初は課長の大宝和彦(CV置鮎龍太郎)×イノセントなチャレンジャー新入社員の原田(CV野島健児)がメインだったが、途中からリス型セクサロイドのチャッピー(CV伊東みやこ)が、最近は和彦行きつけのバーのママ(CV小西克幸)×医者の要(CV渋谷茂)先生の話がメインになりつつある……なんてストーリーはどうでもいいくらい、ゲイ文化に詳しい著者の蘊蓄がメッチャ楽しい。(

注29:著者の出世作の『世紀末ダーリン』シリーズもリーマン集団ドラマの大ロングシリーズ(7巻+『新・〜』が3巻)。漫画は実はCDドラマのために書かれたか?ってくらいの勢いで5枚もリリースされていて、キャストは高杉洋一郎(CV井上和彦)×緒方耕作(CV松本保典)、式部紫(CV堀秀行)×堤将行(CV岩永哲哉)、等々力耕平(CV関俊彦)×板橋猛(CV菊池正美)、坂本三四郎(CV置鮎龍太郎)×桂千太郎(CV真殿光昭)。これだけいれば戦隊モノも……っていうのでCD『世紀末戦隊 ダーリン5』も(レッド=緒方、ブルー=高杉、グリーン=堤、ブラック=式部、ピンク=坂本、悪役トドロッキー将軍=等々力、タケル王子=板橋)。(

注30:網膜剥離によりプロボクサーの道を断念した神田エイジ(CV関智一)は無類のケーキ好き。洋菓子店「アンティーク」でパティシエを目指すが、「アンティーク」には、甘いモノが大の苦手な脱サラオーナー・橘(CV山寺宏一)や天才パティシエだが「魔性のゲイ」の小野(CV郷田ほづみ)、外見ヤクザ中身は乙女なギャルソン兼橘のお目付け役の千影(CV井上和彦)など個性的な面々が。(

注31:チーフの栗原太郎(CV岩永哲哉)、フロア担当の大久保真希(CV伊藤健太郎)、ケーキが得意なキッチン担当の皆川ひふみ(CV石田彰)、体育大学生バイトでフロア担当の徳美秀太(CV森久保祥太郎)、美形高校生バイトでフロア担当の一ノ宮純(CV保志総一朗)、オカマ言葉を使うアマゾン帰りの元傭兵の新人バイト(CV関智一)、苦労が絶えないマスターの三鷹雄一(CV大塚明夫)。(

注32:飛行機の利用者、特にファースト、ビジネスクラスはリッチな男性がメインというわけで、男性優位飛行機文化への皮肉がタップリ。飛行機がとにかく好きという著者のオタクな飛行機知識も楽しい。(

注33:著者がバイトした駅名に酷似した南北沢駅を舞台としたコメディ。朝日(CV釘宮理恵)は運転士だった無き父を目指しMK電鉄に入社。が、女性客が多数を占める南北沢駅は社内選りすぐりの美形ばかり(元ヤンキーのインテリ藤沢快慈(CV置鮎龍太郎)、バイセクシュアルの松丸北斗(CV森田成一)、男装の女性・古川ひかり(CV緒方恵美)、人気アイドルであることをメガネで隠す益子つばさ(CV保志総一朗)、唯一まともな秋田助役(CV小杉十郎太))を集めた特殊な職場だった!(

注34:『だまし討ちだぜ、DR』『かんちがいだぜ、DR』『DRは龍に乗る』『バケモノだぜ、DR』『DRは龍と立つ』『龍の恋、DRの愛』からなるシリーズ。病院で働いていた作者の実体験が作品をリアルに。明和病院の受付事務の薫(CV野島健児)は過労でいつ倒れてもおかしくない日々。そんな薫を案じた美形新入り整形外科医の芝(CV遊佐浩二)は薫に「自分のところに永久就職しろ」と迫る。若手内科医の氷川(CV鈴村健一)は昔近所に住んでいた清和(CV鳥海浩輔)に再会。氷川は暴力団・眞鍋組の跡目となっていた清和の妻!となる。(

注35:プロ野球球団、オリオールズの投手・堀田(CV結城比呂)は、ライバル球団メッツの子持ちオヤジエースバッター、秋吉(CV小野健一)とカップルになるが、ファンのほとんどの関心はその後に登場する、オリオールズのキャッチャー塔馬(CV森川智之)とやおい界最強の誘い受けである、東大卒の屈折した美形バッター・千堂(CV石田彰)のカップルに集中。その後、ライバル役でウィングスの犬崎(CV中井和哉)も登場。塔馬に「ホームラン王になった方が、千堂をもらう!」と宣言。その後振られた犬崎は外国人ピッチャー・ラスティと一夜を共にしてしまう……。(

注36:1人だけ昔の少女マンガ風なウジウジキャラである山田あゆみの話はスラッシュ君にはあんまり面白くない。作者は同じ雑誌のインタビューで「自分の欠点をさらけだすのがイイ」と書いていたし、同時収録の短編マンガにも「思うに「人間らしさ」というのは(中略)その人の一番カッコワルイ所に宿っていると思うのです」とあるので、男性読者は「あゆ」が好きなのかなあ。是非、意見を聞いてみたい。(

注37:最初読んだ時は貧乏旗本の息子で大奥へ奉公に上がった水野が主人公?と思ったが、次の話にはもう水野は出てこない。かと言って吉宗(猛女)が主人公でもないような……。それがかえって好感が持ててスラッシュ君にはハマる一因になった。まさに江戸版OZ(ぱふのインタビューによると作者もOZが好きだそう)だ。もちろん水野と先輩の杉下はセルメイトで!(

注38:現在2巻まで発行。阿部川キネコ先生の『辣韮の皮―萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』と並ぶ、腐女子&オタク系学園物の名作。こういう漫画を読むと共学も良かったなあ、と思ったりする。オタクの真島クンが異常にイイ男。これを読んでいたら「ネイサンズ事件」は起こらなかったかもしれない(笑)。(

注39:海外ドラマも『エイリアス』や『モンク』(第2シーズンで名脇役のシャローナが降りてからは格段につまらなくなった。モンクが異常な潔癖症&妻が死んだショックだろうが、もうどーでもいいじゃん、って気に。ギャラでもめて新シーズから脇役が急にいなくなったり、休んだりすることが向こうのドラマでは多い。『ホワイトハウス』のサム、『Hey!レイモンド』の兄ロバートなど。それだけ脇役が重要視されている証左でもある)のようなヒロイン、ヒーロー中心のドラマは、集団ドラマである警察ドラマの『ホミサイド』、『シールド』、『ハートビート』、『CSI』、監獄ドラマ『OZ』、仲良し男女6人のコメディーである『フレンズ』などにに比べ、第2シーズン以降の「飽き」が激しい気がする。スラッシュ君が特に好きなのは映画『アメリカン・ビューティー』の脚本家アラン・ボールが制作した葬儀屋一家のドラマ『シックス・フィート・アンダー』だ。登場人物の「変な面」ばかりを描く新しい感覚に感動した。アメリカ版『渡る世間に鬼ばかり』の『デスパレートな妻たち』(デス妻)もドロドロしているわりに、サラッと見られるのは集団ドラマのせいだろう。(

注40:『第一容疑者』のテニスン警部はOK! 努力してるもん(笑)!(

注41:単行本18巻の累計発行部数は1200万部。(

注42:累計500万部を超える大ヒット作。が、インドネシア人も「ハチクロ」のほうが面白かったとぼやいていた。どちらも同じくらい人気作品なのだが、主人公中心の少女漫画と集団ドラマ型の新しい少女漫画では時代性が全然違うので同じ時間帯にやるのは失敗だったと思う。その点で言うとハガレン=>種デス=>と来て、『BLOOD+』(小西さんの「命令して口調」だけが楽しみ)というのも同様だろう。ヒロインの小夜がビビって敵になかなか刃を向けないのにエラいイライラさせられた。ということは想定視聴者は主に男性ってことなのか?(

注43:2005年12月15日発売の最新刊14巻でついに初版200万部突破! 全巻累計32000000部突破!!! (ゼロが多すぎて数えられない)歴史的大ヒット作に。2人のヒロインといえば『ガラスの仮面』はOKだった。もっともマゾロリ変態の某紫のバラの人のおかげだったかもしれないが。(

注44:中には親戚の息子が抱き枕を製作、ネット通販しているのが恥ずかしいというママさんもいた。歌麿も当時は「春画なんて描いて身内として恥ずかしい」と言われたんだろうか。当時と今との違いは当人が万が一ネット上の発言を読んでしまう可能性があるかないかだ……。(

注45:東大法学部の学生のママのブログで、「息子が小遣いを無駄遣いするのを諌めてほしい」と息子の彼女に、手紙を出したというのがあって仰天した。タイトルも「日本の男は日本の母と女が作る」だ。(

注46:スラッシュ君の大学時代、子どもの頃からずっと息子の勉強を見てやり、しまいには自分も司法試験に合格し、司法修習生として息子と机を並べる母がいた。(

[文:スラッシュ君 060110]

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