第1回

日本のアニメや漫画が欧米やアジアで人気があるという話はよく耳にする。しかし、私は今に至るまで全く知らなかった。日本の「やおい漫画」がこれほどアメリカ人女性たちに読まれ、もてはやされているという事実を……。

<やおい用語とslash用語はよく似てる>

さて、なぜ私がそのことに気づいたかと言うと、「slash」小説の翻訳サイトを自分のサイトで始めたせいなのだ。「slash」について詳しくは私のサイトを見ていただくとして、ここでは「slash=アメリカのパロディやおい小説」のことだと思っていただければ十分である。
「X-file」のファンや「Star Trek」のファンがモルダーとクライチェック(スキナーの場合もある)や、カーク船長とミスター・スポックをカップルにして、創作小説を書き、ものすごい数をネット上で公開しているのだ。日本の「やおい」(やまなし、おちなし、いみなし)に相当する英語もちゃんとあり(PWP=Plot Without Plot)、「slash」翻訳を始めた当初はあちらのサイトをぐるぐる回って、この手の専門用語の解説を探したものだった。

そんなある日、「耽美主義」(aestheticism)という、その手の漫画専門サイトをたまたま発見してしまった。
http://aestheticism.com/

このサイトは会員になると、日本のやおい漫画が購入できるとあり、「やおい漫画とは何か?」など、初心者にも分かりやすい解説も完備されていた。また、サイト主宰のメーリングリストでは、日本のやおい漫画についての真剣な(罰当たりな?)会話が会員内の間で日夜交わされていたのだ。

「『腐った教師の方程式』の5巻読んだ? その中で主人公がいい男を見て鼻血を出すシーンがあるんだけど、どういう意味なの?」

「新田祐克さんの漫画にホストクラブが出てくるんだけど、これは売春を斡旋する店ですか?」

「『僕のセクシャルハラスメント』のビデオを見ました。とても面白かったです。これは全部で何巻出てるかご存知の方いらっしゃいますか?」

などなど……。

最初はただ眺めていただけだったのだが、

「定広美香さんの『灰とダイヤモンド』の1巻がどうしても手に入りません」

などの発言を見るにつれ、ついお節介にも、

「近所のBOOKOFFで見かけたので、どうしてもほしかったら買って送ってあげましょうか?」

と発言してしまった。

それから私の(悪)夢のような?「やおい漫画購買代行業」が始まったのであった……。
(次号へ続く)

[文:スラッシュ君 991206]

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